壁や天井に穴を空けずに、2×4材で柱を立ててオリジナルの収納を作ることができるアジャスターパーツ「ラブリコ」「ディアウォール」。DIYに慣れていないと、悩みのタネは、設計段階で自分の選択が正しいのか、耐荷重の不安などではなでしょうか?特に壁一面の可動棚のような大型DIYにチャレンジしようとしているならなおさら慎重になることでしょう。
原状回復ができるのに、組み立てた収納棚が倒れてしまっては本末転倒ですよね。
この記事では、どちらも実際に使っていくつもDIYするなかで、設置する部屋の環境、収納する物の重さや、用途によって使い分けたポイントを紹介します。実際の事例を見てぜひ参考にしてくださいね。
まず初めに結論から言いますと、私の収納DIYのほとんどはディアウォールを使ったものです。壁面ディスプレイや、軽量な小物類などの収納用途ばかりということもありますが、何と言っても設置のしやすさが気に入りました。
逆に天井まで壁全面の可動棚のDIYでは天井部に衣装ケースを乗せることを想定していたため耐荷重を重視したラブリコを選びました。
理由は2つを比較したときに、パーツの構造が安定性や耐荷重の強度に影響があるからです。
1.ラブリコ、ディアウォールの最大の違い
ラブリコとディアウォールは上下に突っ張るというしくみは同じでなので、設計にあたっての考え方や出来上がる収納は基本的に同じですが、最大の違いは突っ張りの構造と設置の仕方です。
ラブリコは柱を立てかけて、天井側のパーツを脚立に登ってネジを締めて固定するので、締め上げるほど強度が増しますが、ディアウォールは内蔵しているバネの反発力は最初から決まっているので、切り出す柱の寸法が間違っていると、突っ張りの能力を最大限に活かせません。どちらのアイテムも製品としての安全性を疑うものではないですが、特徴を理解して適材適所で使い分けることが重要です。
ラブリコの特徴
- メーカー:平安伸銅工業
- 構 造:ネジを手で締め上げて固定する構造。柱1本あたりの耐荷重は20kg
- 柱の長さ:柱となる2×4材の長さ「設置する場所の高さ」−「95mm」
- カラバリ:5色のカラーバリエーション
(オフホワイト、ブロンズ、ヴィンテージグリーン、ナチュラルグレージュ、マットブラック) - 値 段:公式オンライン:¥1,496(税込) カインズ:¥980(税込) Amazon:¥990(税込)
- シリーズ:耐荷重を40kgまで高めた強力タイプやラブリコアイアン、
棚受け、テーブル脚、ナゲシレールなど多数の関連商品があり
賃貸DIY、収納DIYの定番といえばラブリコですね
ディアウォールの特徴
- メーカー:若井産業
- 基本構造:内蔵しているスプリングの力で突っ張る構造
- 柱の長さ:柱となる2×4材の長さ「設置する場所の高さ」−「45mm」
- カラバリ:4色のカラーバリエーション(ホワイト、ライトブラウン、ダークブラウン、ブラック)
- 値 段:¥1.210(税込) カインズ:¥1,280(税込) Amazon:945円(税込)
- シリーズ:2×4、1×4、1×6、中間ジョイント、棚受け関連がメインのラインナップ
ラブリコと切り出す柱の長さが違うので注意してください
2.ラブリコ、ディアウォールの使い分けのポイント
ラブリコ、ディアウォール、どちらが良いか選ぶ上で、カラーバリエーションやデザインはもちろん、どんな目的のDIYをするか、メンテナンスの頻度もポイントになります。使い分けの要点をまとめたので以下のチェック項目に多く当てはまる方で選ぶと、自然と答えが見えてくるので、参考にしてください。
ラブリコを選ぶポイント
- 壁一面の収納棚や壁に面していない間仕切り(パーテーション)としての使い方が得意
- DIYする収納棚などに重いものを乗せたい、安定感、耐荷重を重視したい
- 天井や床の構造や下地がしっかりしている場所に設置できる
- 高い天井に脚立で登ってネジを締めるのは苦でない
- ネジの緩みがないか定期的なチェックができる
- インテリアに合わせて5色のカラーが選べ、スクエアな形状が好き
あこがれの大型壁面収納なら耐荷重に優れたラブリコがオススメです
ディアウォールを選ぶポイント
- 壁に穴を空けずに時計やフック取り付けや小物類の収納棚。壁面ディスプレイが得意
- 背面に壁があり、あまり重いものは乗せる予定はない
- 脚立に登ることなく、簡単に柱を立てたい
- 丸みの感じる柔らかい形状が好き
- 定期的な強度チェックはあまりしたくない
ちょっとした小物や観葉植物を飾る棚を簡単に設置するならディアウォールが向いています
3.失敗しないための耐荷重の注意点
ラブリコ、ディアウォールとも突っ張り棒の要領で柱を固定するので、設置する天井や床の環境次第で、性能を最大限に活かせんません。突っ張り式の収納がほしいと思ったら、まずは使用目的と天井と床の素材などの部屋の構造などを見極める判断力が大事です。その上でメーカー推奨の使用方法や耐荷重を理解した設計をすることで、倒壊の危険性は大分防げるでしょう。
初期の設計が誤っていると、倒壊の危険性が高まるし、買った材料も無駄になるのは避けたいですね。
- 柱1本あたり耐荷重は約20kg、棚板の耐荷重は30kg
- ネジを締めすぎて、天井が浮き上がらないように注意してください
- 定期的に柱の傾きやジャッキのゆるみをチェックしてください
- ディアウォール1つあたりの耐荷重は18Kg
- 強度調整は付属のスペーサーを底側のアイテムの内部に挿入してできます。
- 棚板の柱と柱の距離は120cm以内が目安。複数柱を立てれば強度が高まります。
- 取り付け後も定期的に柱の状態やネジを緩み具合をチェックしましょう。
4.DIY実例で耐荷重の紹介をします
ささパパが作ったラブリコとディアウォールと施工例を参考に事例を参考に、実際の状況と照らし合わせて設計、設置をしてください。
柱1本立て(スマートスピーカー、掃除機収納の設置)
- 使用アイテム:ディアウォール
- 天井と床の構造:コンクリート梁と無垢フローリング
- 乗せている?:スマートスピーカー、観葉植物
壁に穴を空けたくないときに柱使いは便利です
壁面ディスプレイ(観葉植物や通学グッズ、掲示物、子供の作品)
- 使用アイテム:ディアウォール
- 天井と床の構造:コンクリート梁(珪藻土塗装)と無垢フローリング
- 載せているもの:通学グッズや学校の掲示物
収納棚(タオルラック)
- 使用アイテム:ディアウォール
- 天井と床の構造:コンクリート梁と洗面化粧台
- 載せているもの:タオル、化粧品
天井と洗面化粧台との突っ張りでも設置できました
壁面可動棚(ランドリーラック)
- 使用アイテム:ディアウォール
- 天井と床の構造:二重天井と洗濯パン
- 載せているもの:洗濯物のカゴや洗剤関連
柱の左は床、右は洗濯パンと左右の長さが違っても設置できます
壁面可動棚(ファミリークローゼット)
- 使用アイテム:ラブリコ
- 天井と床の構造:二重天井とカーペット
- 載せているもの:天井側の棚板に衣装ケース、ハンガーレールに4人家族分の上着
上に重いものは乗せるときは注意してください
収納ディスプレイ(納戸用)
- 使用アイテム:ラブリコ
- 天井と床の構造:二重天井とカーペット
- 何を乗せている?:天井側の棚板にサイズアウトした衣類。キャンプ道具。有孔ボードに工具や掃除用具。
ラブリコのネジを締めすぎて天井が少し浮き上がったので、定期的な強度チェックは欠かせません
5.まとめ
ささパパが初めてのDIYにチャンレジしてラブリコ、ディアウォールを使用してから5年以上経ちますが、倒壊の危険性や不安を感じることはまだありません。点検というととても面倒なことに思えますが、やはり生活に密着したDIYが多いので、ちょっとした変化や目配りをしておくだけで、未然に事故も防げますし、倒壊の心配もなくなります。
ラブリコ、ディアウォールの耐荷重を過信することなく、安全を心がけながらオリジナルのDIYを楽しんでください。